高校のマーケティング実習でpalanARを活用して動画ARを作成!
今回は静岡県立島田商業高校の教諭 鈴木滋先生と、生徒のお二人、情報ビジネス科3年生の秋山日奈さんと鈴木海斗君に、palanARを活用した授業についてお話を伺いました。
今回の授業内容を教えてください。
鈴木先生
島田商業高校のオープンスクールに参加する中学生とその保護者向けに、校内を紹介するARを作成してもらいました。
制作過程としては、まず、校舎の一つの場所を選定してもらいます。次にマーケティング手法を使って、環境分析をします。そして、紹介動画を作成しpalanARでARを作成、ARを体験するQRコードを掲載したポスター作成となります。
2年生でマーケティングの授業があり、当時コロナで飲食店が大変な時でした。何か地域のためにできることはないかと考え、飲食店などのLINEのクーポンを配布してることに着目し、GASを使ってLINEのBOTを作ったりしました。
そして、3年生では何をやろうかと色々調べてた時に、ちょうどpalanARを見てて、これでマーケティングをやりながら何か作れるかなと思って今回の実習を組み立てました。
実習をやってみていかがでしたか。
鈴木先生
生徒同士で2人組を作って、ネット上で共有しながら、ファイブフォース分析などいろいろな分析をやってもらったのですが、なかなか難しかったのではと思います。でも、まだまだ内容は薄い部分があるかも知れないのですけど、しっかりとやり切ってくれたので良かったと思っています。
私は去年まで大学院に行ってて、大学でマーケティングなどいろいろ学びました。そこで吸収したものを実際に生徒にも実践してもらおうと思っているので、そういう部分でも大学院での授業をやって良かったです。
秋山さん
マーケティングを1から始めるのは難しくて、特に分析が一番難しく苦労した点でした。けれど、やったことのない分析が学べたので良かったなと思います。また、ペアの子と協力してできたので、その点も良かったです。
実習の中でポスターの作成が一番楽しく、デザインを考えるのが好きなので、「どうすれば人の目に止まるだろうか?」とか、ユーザーの観点から考えるのが楽しかったです。
作成したARを見てもらった人からは、「良いじゃん!」って言ってもらえました。
※ インタビュー時はオープンスクール開催前だったので、生徒同士で見せ合った反応をお伺いしました
図書室を紹介する動画がARで見れます
鈴木君
1から分析をして実際にARを作るところまでを通しでやることは、普段の座学的な授業ではなかったことなので、マーケティング実習の名に相応しい勉強になる授業でした。
ペアでやったので人と人とのコミュニケーションが一番大変でした。自分の発言で相手に苦労をかけてしまうことがあったりとか、揉めることもありました。
ですが、最終的には力を合わせて良いものが作れましたし、勉強にもなったと思います。
実習の中では動画作成が一番楽しかったです。動画は音だったり、視覚だったりで伝えられる情報が多いので、そこをいかに初めて見る人に分かりやすく伝えるかを考えるところが楽しかったです。
作成したARも、好評だったと思います。
プレゼンテーション室を紹介する動画がARで見れます
鈴木先生
プレゼンテーション室のARが投票で一番良かったんですよ。
QRを読み取った後に、最初、画面を縦にすれば良いのか横にすれば良いのかが分からないんですけど、鈴木君の組は動画の中で最初にスマホを横にしてくださいと分かりやすく案内されてたのでそれが良かったみたいです。
今回の実習でpalanARをご利用いただいた理由は何でしょうか。
鈴木先生
自分で実際にAndroidのARを作ったこともあるんですけど、なかなか難しくて。まあ一応形にはなったんですけど、生徒にやらせるとやはりちょっと難しいかなと思ってました。
そこで、ノーコードでARを作成できるサービスはあるかなと調べた時にpalanARを知りました。
実際に自分で登録して使ってみたんですけど、結構使いやすくて。他にも同じようなサービスはある程度見たのですが、一番ユーザーインターフェースが分かりやすいのがpalanARでした。
マーケティングの一つのツールとして使うにはとても便利そうだという点と、ノーコードなので使いやすいかなという点で導入を決めました。
palanARを使ってみていかがでしたか
鈴木先生
一通りpalanARを試してみて、実物のものとかを認識してARを表示することもやってみたのですが、立体だと画像がぶれるんですよね。なので、平面の方が良さそうだな、とか。
取り敢えず一度自分で全部試してみて、授業でどう取り入れていくか考えていくことが多いのでそういう部分でも気軽に試せて使いやすかったですね。
秋山さん
ARを作ると聞いた時に難しいイメージしかなかったのですが、本当に分かりやすくて、止まることがなかったです。使いやすかったです。
QRで読み込んだ後に動画を表示する時に、動画を見やすい位置に合わせるのが大変だったので、そこは難しいなって思いました。
鈴木君
自分もARって難しいというイメージを抱いてたんですけど、palnaARは専用のソフトをダウンロードする必要とかも無くて、ブラウザのみでできる点がすごく便利でした。動画とかをアップロードするときも、すごく分かりやすかったです。
今後も継続してpalanARを使用されたいですか? また、どのように活用していきたいとお考えですか。
鈴木先生
そうですね、今後も使うつもりです。2学期以降はLeap Motionを使いVtuberの動画を作るのでARを使って島田市の紹介等を作りたいと思います。
鈴木君
palanARで作ったARはアプリをダウンロードする必要なくてQR読み取ってすぐ使える点が使い勝手が良いと思いました。なので、まだ企画段階ですけど文化祭でpalanARを生かして何かやってみようという話も出てます。
最後に、こんな機能が欲しい、こんなことができれば・・というご要望はございますか。
鈴木先生
強いてあげると、3Dの対応拡張子が増えると嬉しいです。
今VRoid使ってVtuberを作っている授業もあるんですよ。
その時にVRMという拡張子があるんですけど、そういう3Dファイル形式を増やしてもらえると尚良いかなと思います。理由としては、まだ生徒は1から3Dコンテンツを作ったりはできないので、導入できるとVtuberとARを組み合わせたものが作れたりして面白いと思います。
編集後記
教育現場でpalnARが使われるケースは増えてきていますが、やはりこうして学生の教育にpalanARが活用されている例を聞くのは大変喜ばしいことです。
また学生の方から直接声を聞くのは今回が初めてだったので、貴重なインタビューとなりました。
AR作品を作る時に、ARそのものに注力して体験する側の視点が抜けてしまうことはありがちです。そんな中、今回のマーケティング自習では、マーケティングから始まり、QRを掲載するポスターや、ARの動画に至るまで、常に体験する側に立って作成されていました。良い実習内容だと思うのと共に、これが高校の授業であることに驚きました。
今後もpalanARを活用いただけるとのことなので、どのように使っていただけるのか楽しみです。
教育現場でもっと活用されるように引き続きサービスを向上していきたいと思います。
関連情報
高校生のマーケティング実習(Qiita記事)
※ 上記記事から生徒の各記事へリンクされてます