描き下ろしキャラと一緒に撮影!静岡県・富士市「富嶽綺譚 頼朝&曽我兄弟と巡るデジタル史跡ラリー」

2025年7月28日(月)より静岡県・富士市にて実施される「富嶽綺譚 頼朝&曽我兄弟と巡るデジタル史跡ラリー」内、ARフォトフレームにノーコードAR作成ツール「palanAR」を提供いたしました。
有名な歴史にまつわる史跡を巡ることで、頼朝や曽我兄弟が富士山麓で紡いだ想いを共に感じながら、ARフォトフレームで記念撮影を楽しむことができるデジタルスタンプラリーです。
こちらの取り組みについて、富士市教育委員会 文化財課 秋山様にお話をお伺いしました。
本企画を立ち上げたきっかけは何ですか?
文化庁が示した文化財保護・活用の指針に基づき、富士市は地域住民とともに歴史的文化財を継承するため、「富士市文化財保存活用地域計画」を策定し、10カ年の計画を立案しました。
企画の推進にあたり、富士市役所では文化財課だけでなく、交流観光課や学校関連セクションなど複数の部署が連携して検討を進めました。パンフレット作成や博物館での展示など、従来の普及活動は既存の関心層にしか届かず、歴史に関心の薄い層へのアプローチが課題でした。
職員間で検討を進め、実際に史跡を見て回ることが有効であると考えましたが、いかにして回ってもらうかという点が課題として残りました。
そんな中、市長への手紙制度を通して、ある女子高校生から「曽我兄弟ゆかりの史跡を『刀剣乱舞』とコラボレーションして活性化させてはどうか」という提案が寄せられていたことに気付きました。「刀剣乱舞」との直接的なコラボレーションは、関連する刀剣を所有していないためお断りしておりましたが、この手紙をヒントに、企画を再検討することになりました。
改めてその手紙を読み返したところ、『刀剣乱舞』に登場するキャラクターで源家ゆかりの刀剣「髭切」と「膝丸」は、イラストレーターのシラノさんが手掛けていることがわかり、「人気ゲームのコンテンツをヒントに曽我兄弟ゆかりの史跡を活性化させる」という方針で企画を進めました。
シラノさんに直接交渉させていただいたところ、望外にもご快諾をいただけました。
キャラクターを前面に出し、若い世代にも史跡への関心を高めることを目的として、改めて富士市の歴史や史跡を知っていただくきっかけとなるよう、スタンプラリーを企画いたしました。
▼描き下ろしキャラクターイラスト
順に、源頼朝、曽我十郎祐成、曽我五郎時致。(©2025シラノ)
ARフォトフレームを導入しようと決めた経緯を教えてください。
昨年度の秋頃、博物館施設「富士山かぐや姫ミュージアム」にてARを活用してオリジナルの絵本を作成するラリーイベントを開催しており、このAR技術を何かに活用できないかと温めていたことが、今回の企画につながりました。
今回のスタンプラリーはスマートフォンを活用する企画であるため、現地に何らかの仕掛けが必要だと考え、palanAR・ARフォトフレームの導入を決定しました。
▼フォトフレーム撮影イメージ
今後、ARやpalanARをどのような形で活用していきたいと考えていますか。
今後の展開についてはまだ検討中ですが、富士市文化財保存活用地域計画は10カ年計画で進行しており、様々な取り組みを継続して行っていかなければなりません。
史跡が多数存在し、それらをただ見て回るだけでは面白みに欠けるため、そこに面白さを付加し、付加価値を与えるものとして、ARの活用は有意義であると考えております。
今回の利用方法では場所を限定しておりませんでしたが、特定の場所でしか体験できないAR機能もあったので、今後はそのような機能も活用できればと思います。
スタンプラリーの体験に興味をお持ちの方、富士市へお越しになる方に向けてのコメントをお願いいたします。
富士市には初めてお越しになる方もいらっしゃるかと存じますが、富士市は富士山を間近に見上げることができる素晴らしい場所であると考えております。
富士山を眺めながらスタンプラリーを巡り、歴史を感じつつ、富士山や駿河湾田子の浦の海を感じていただいたり、昔の東海道の道筋を感じながら楽しんでいただけると考えております。
スタンプラリー自体は大変かもしれませんが、ラリーと合わせて富士市の魅力を伝えていければと願っております。シラノさんの描き下ろしイラストもぜひお楽しみください!
編集後記
今まで史跡を訪れたことがなかった方も、頼朝や曽我兄弟が富士山麓で紡いだ歴史や想いを共に感じるきっかけとなるスタンプラリーにpalanARをお選びいただき、嬉しく思います。また一度は検討から外れた企画も、女子高校生の方からの手紙をきっかけに形を変えて実現したという経緯も印象的でした。
今後も歴史×AR、アナログ×デジタルといった多様な分野でARの可能性を追求し、文化の継承、地域活性化に貢献してまいります。
施策詳細
「富嶽綺譚 頼朝&曽我兄弟と巡るデジタル史跡ラリー」開催期間:令和7年7月28日(月曜)から、令和8年3月1日(日曜)まで
参加方法、景品配布場所など詳細は富士市ホームページをご参照ください。
https://www.city.fuji.shizuoka.jp/4005230000/p006846.html